天候:晴れ〜曇り
路面:ドライ
コース全長:5,091.45m レース距離:24時間
出走台数:28台
■ST2クラス(出走6台)■
#37:シーケンシャルエンドレスアドバンランサー
和田久/HINOKI/大瀧賢治/砂子塾長
決勝:総合5位/クラス1位
■ST3クラス(出走7台)■
#113:UNT-Racing☆ings Z
伊橋勲/堤明彦/大井貴之/DRAGON
決勝:総合24位/クラス7位
#333:エクセディH.I.S.イングスZ
前嶋秀司/佐々木雅弘/山本すばる
決勝:総合7位/クラス2位
■ST4クラス(出走6台)■
#18:FUNKY'S コスモソニックFKingsDC5
浅野武夫/笠原智行/水書健司/中嶋敦
決勝:総合25位/クラス5位
#22:MTO tri-Ace FD2
石川朗/五反田義治/福田淳/三沢伸輔
決勝:総合18位/クラス4位
#51:AGY ings インテグラ
井尻薫/黒木英春/黒木健次/松本玲二
決勝:総合14位/クラス2位
※予選セッションは実施されず。
スーパー耐久シリーズ第4戦が日本で唯一の24時間耐久レース、十勝24時間レースとして開催された。
この日本一過酷なレースにings装着車は6台が参戦。その中でST2クラスに参戦のシーケンシャルエンドレスアドバンランサーが見事クラス優勝を果たした。
またエクセディH.I.S.イングスZは開幕4連勝こそ果たせなかったがST3クラスで2位獲得。AGY ings インテグラもST4クラスで2位を獲得し、参戦全クラスで表彰台を獲得した。
十勝24時間レースはそのレース時間の長さから助っ人ドライバーのラインナップも注目される。
クラス2のシーケンシャルエンドレスアドバンランサーは和田選手、HINOKI選手、大瀧選手のレギュラー選手に加えてベテラン砂子塾長選手を加え磐石の態勢を整えてきた。
クラス3、エクセディH.I.S.イングスZはレギュラーの前嶋選手と佐々木選手に加えて山本すばる選手を起用。
UNT-Racing☆ings Zは伊橋選手、堤選手に加えて昨年のクラス3シリーズチャンピオン大井貴之選手と、同じクラス3の屏風浦工業ニューテック-ZをドライブするDRAGON選手を起用してきた。
ST4クラスではAGY ings インテグラは昨年の最終戦もてぎ以来の参加となる松本玲二選手、FUNKY'SコスモソニックFKingsDC5は昨年の十勝戦同様中島敦選手、MTO tri-Ace FD2は今回も参加できなかった森山選手に変わり福田淳選手と三沢伸輔選手が加わり24時間を戦う。
金曜日の練習走行中にUNT-Racing☆ings Zがスピンしクラッシュ。左フロントのサスペンションアームが折れてしまうほどの大きなクラッシュだった。
ドライブしていたDRAGON選手に怪我は無かったもののマシンのダメージはかなり大きくチームによる懸命の修復作業が行われた。
この後に予定されていたナイトセッションには当然参加できず、夜間走行が出来ないのはUNT-Racing☆ings Zにとって不利な状況といえる。
修復作業中のUNT-Racing☆ings Z以外は順調に走行、マシンのセットアップのため精力的に走行を重ねた。
土曜日、午後に行われたフリー走行セッションでは修復を終えたUNT-Racing☆ings ZがクラストップのBMW/M3(#27)と非常に僅差となるタイムをマークし、クラッシュの影響を感じさせないほどの走りを見せていた。その他の車両も順調にフリー走行を消化。
また日曜午前にもフリー走行が設けられ、決勝前の最後のマシンチェックを各チームとも入念に行った。
この十勝24時間は予選セッションが無く、そのためグリッドは第3戦終了時点のランキング順となる。
ST2クラスランキング3位のシーケンシャルエンドレスアドバンランサーは9番グリッドからのスタート。
ST3クラスランキングトップのエクセディH.I.S.イングスZは13番グリッドから、UNT-Racing☆ings Zは16番グリッドからのスタートとなる。
ST4クラスではクラストップのAGY ings インテグラが20番グリッド、FUNKY'S コスモソニックFKingsDC5は24番グリッド、MTO tri-Ace FD2が25番グリッドからのスタートとなった。
天候は晴れと言う発表ながらやや曇りがち、気温も22度とやはり本州と比べると涼しい気候の下、24時間に及ぶ長いレースのスタートが15時00分に切られた。
序盤から好走を見せたのはUNT-Racing☆ings Zの伊橋選手。首位を走るエクセディH.I.S.イングスZの背後にまで迫ろうかという勢いであったが、レーススタート後わずか30分で『エンジンがフケない!加速しない!』と言う無線が伊橋選手より発せられた。チームに緊迫した空気が流れた。
UNT-Racing☆ings Zは緊急ピットイン。チームは原因を究明すべく作業にかかるが特定できる原因が発見できない。
恐らくブローバイガスが配線かセンサーに付着してエラーとなったのでは無いかと言う見解となり、トラブルの原因と思われる箇所のチェックを行い再度コースに送り出す。
しかしこの時点でUNT-Racing☆ings Zはトップから9周も離されてしまった。
そしてこのピットアウト後、少ししてUNT-Racing☆ings Zにまたもトラブルが発生。何と今度はミッションのオイルクーラー用のオイルポンプが故障しミッションがブローしてしまった。
これでミッション交換を余儀なくされたUNT-Racing☆ings Zは長時間ピットに止まることとなってしまった。
ミッション交換を終えたUNT-Racing☆ings Zはトップから大きく遅れ、この時点でクラストップから約60周差となってしまった。
一方エクセディH.I.S.イングスZは燃費走行に徹し序盤からペースを落とし気味に走行。クラストップこそフェアレディZ(#15)に譲っているが離れず安定してクラス2番手を走行している。
ST2クラスではシーケンシャルエンドレスアドバンランサーが車を労わりながらも安定した走行を続け、ライバルがトラブルで後退していく中で確実に順位を上げてきた。
クラス4ではAGY ings インテグラが序盤から圧倒的な速さでレースを引っ張ってゆく。FUNKY'SコスモソニックFKingsDC5、MTO tri-Ace FD2も序盤から順調に走行を続けてゆく。
9時間を経過した時点で何とクラストップを独走していたAGY ings インテグラにトラブルが発生。パワーステアリングのホースが折れるトラブルでクラス3番手にまで順位を落としてしまう。
その後、サーキットの計時システムのトラブルや、霧雨が振った関係で若干縁石が滑りやすくなったりという場面もあったがレース展開には特に大きな動きが無くレースは進行してゆく。
レースのちょうど半分となる21日午前3時。このレースでは12時間経過直後に各クラストップを走行する車両にはシリーズポイントが5ポイントが与えられる。しかしings勢のポイント獲得はならなかった。
約13時間が経過した頃クラストップのランサー(#6)がトラブルでピットイン。シーケンシャルエンドレスアドバンランサーはクラストップに浮上した。
この夜間走行の間、激しい追い上げを見せていたのはトラブルで大きく後退していたUNT-Racing☆ings Z。
UNT-Racing☆ings Zは深夜のスティントを大井〜伊橋〜大井の順で進行、ラップタイムも同じクラス3の車両が2分19〜20秒ペースで周回する中、ST2クラスのラップタイムに匹敵する2分16〜17秒代で周回。
大井選手のドライブ中に他車に接触されるアクシデントがあったものの走行に支障の出るまでの大きなトラブルは無く、この驚異的な追い上げによりトラブル修復時には約50周もあったクラス6位のRX-7(#2)との差がナイトセッション終了時には8周差まで詰め寄ることに。
エクセディH.I.S.イングスZは大きなトラブル無く安定して走行を続ける。
16時間を経過した頃FUNKY'S コスモソニックFKingsDC5がエンジンブローでリペアエリアへ運ばれてしまう。エンジンの交換作業が行われるが大きく順位を落としてしまった。
そして18時間を経過したころエクセディH.I.S.イングスZは周回遅れのRX-7(#2)と接触。これをプッシングとみなされてしまい60秒のペナルティを受けてしまう。
21時間を経過、驚異の追い上げを見せていたAGY ings インテグラがガレージにマシンを入れた。
どうやら再度パワーステアリングにトラブルが出てしまったようだ。このピットインで再びクラストップのシビック(#76)との差が開いてしまった。
24時間が経過した21日の15時00分、曇り空の下総合優勝となるST1クラスのBMW/Z4クーペ(#50)がチェッカーを受けレースは終了。
シーケンシャルエンドレスアドバンランサーは大きなトラブルもなく安定した走りで24時間を走りきり、開幕戦鈴鹿以来となる今期2勝目のチェッカーフラッグを受けた。
エクセディH.I.S.イングスZはクラス優勝のBMW/M3(#27)から約40秒遅れの総合7位/クラス2位でチェッカーを受けた。
開幕以来続いていたエクセディH.I.S.イングスZの連勝更新はここでついに止まってしまった。
M&M SPORTチームは敗戦に悔しさを見せつつも既に次のチーム/ドライバー共に得意とする岡山のレースを見据えていた。
UNT-Racing☆ings Zは最終スティントに向かった直後、今度は左側のドライブシャフトが折れて緊急ピットイン。
満身創痍になりながらもクラストップであるBMW/M3(#27)から63周遅れの総合24位/クラス7位で完走した。TOMEI SPORTチームにとって今回の十勝はトラブルが一気に押し寄せた感のある週末であった。
パワーステアリングのトラブルに泣かされたAGY ings インテグラは総合13位/クラス2位でチェッカーを受け表彰台獲得。
MTO tri-Ace FD2は終盤左フロントのハブにトラブルが発生し緊急ピットイン。チームの迅速な作業で再度コースに送り出すことに成功。
今期ベストリザルトとなる総合18位/クラス4位完走を果たした。チームもマシンのパフォーマンス向上に手ごたえを感じたようだ。
FUNKY'S コスモソニックFKingsDC5はエンジン交換のロスタイムはやはり挽回できず総合25位/クラス5位完走となった。
次は9月6日(土)〜7日(日)に岡山国際サーキットで行われる。
関連リンク
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